呪われた屋敷🕷️的な

何気なく、クローゼットにかけてある服の、ハンガーが目に入った。よく見ると、細かいクモの巣が張っている。ハンガー4個くらいが全部つながるように、クモの巣があったのだ。こんな梅雨のジメジメした時期に、呪われた屋敷にありがちなクモの巣なんて気味悪いなぁと思いながら、でも巣があるってことはクモいるから退治しないとと思い、1個1個ハンガーを動かして見てみた。そしたら。山用のリュックのポケットに。黒い物体が一瞬見えた。あまりにも大き過ぎて、私は思いっきり叫んだのち、すぐさまリュックを隠すようにハンガーを動かした。

大丈夫、巣があるってことはそんな動き回らないよね、家の中歩き回らないよね、てかクモッて夜行性だよね、多分そうだよね。でもさ、一瞬しか見えなかったんだけど、めちゃデカかったんだよな。体だけで直径5cmはあった。小さいジャガイモくらいのサイズ感はあった。どうしよう、今は朝。夫は仕事に行ったばかり。帰ってくるのは夕方だから、1日中クモと過ごすしかないかぁ。

とりあえずネットで

「黒いクモ 家の中」「クモ 退治方法」「大きい黒いクモ」とか調べまくり、多分、毒はなさそう、ということだけ分かり、クモと共に過ごす1日が始まった。読書しながらも、昼ごはん食べながらも、チラチラと発見現場を見ては、糸垂らしてぶら下がったりしてないよな、と確認する。クローゼットの中は木が張ってあり、その木目が濃い茶色なので、クモじゃないかとビクビクしたり。これじゃ心臓がもたん。とりあえず午後はヨガへ。ヨガ中はクモを忘れ、気持ち良く体を伸ばす。その後、薬局で殺虫剤ではなく、凍結スプレーを購入。殺すのではなく、動きを鈍らして、とりあえず凍らせちゃうやつ。夫の帰りをこんなに切望したことはないんじゃないかと思うくらい、早く帰ってきて欲しいと心の中で思いながら、ただその時を待つ。やっと、やっと、帰ってきた。早速、報告。

お願いがあるんですよぉ。いやぁ、でっかいクモがいましてねぇ、ほんとデッカいんだよ、こんくらい(指でokサインをつくる)の、胴体だけでこんくらい。ほんとビックリすると思うけど、ほんとデカいんだよ。(泣きべそ)

そして、そんだけデカいと言われたら、夫も少し緊張した面持ちで、現場へと近づく。リュックを見ると、あ!いた!黒いの!夫がスプレーをかける。かけまくる。クモの動きが止まる。あれ?全然大きくないぞ?これはアーモンドサイズか?やべ、盛り過ぎた。メガ盛りにしてしまった。全然盛ってないから!と3分前に勢いよく話してた自分がこわい。自分の記憶の改ざんがすごい。優しい夫は泣きべそをかいてた私を、もう大丈夫だよ、と励ましてくれた。優しすぎる。盛り過ぎて、ほんとごめんなさい。

っていう、クモに支配された1日だった。